君と笑い合えるとき

叶う。

私の恋は,この人に届く。

それが,どんなに素敵なことか。

どんなに困難で,特別なことか。

誰より特別な静流くんの隣にいて,私は十分過ぎるほど知っていた。

静流くんに,好きだと愛されるなら。

どんな素敵な人だろう。

どんなに羨ましい人だろう。

きっと,例外なく幸せそうに笑うんだと思っていたのに。

そう,思っていたのに。

花火と花火の間,ゆっくり溶け込むような静寂の中。

私は嬉しさのあまり,涙が流れた。

ハの字に眉が垂れて,自然と,笑顔になる。



「静流くん,好き」



ずっと,言えなかったの。

隠しているようでも,騙しているようでも,周りを押し退けているようでも。

なんでもいいから,言えなかったの。

でもやっと,怖くない。

怖さなんて忘れるくらい,嬉しい。



「僕の方が好きだよ」『わたしのほうが───すきだよ』



似た者同士なのか,訂正なのか。

私よりさらりと言えてしまった静流くんは。

子供みたいな反発心で顔をあげた私に微笑んで。

1度,小さなキスをした。

何かくれたのかと思うほど,幸せで優しいキス。

人生初めてのキスは,好きな人とのキスは。

もうこれだけでいいと思えるほど,柔らかくて甘い,幸せの感触をしていた。