2次会が終わり、参加者たちが三々五々、帰宅の途について行く。


「今日は本当にありがとう。」


「落ち着いたら、また連絡ちょういだい。」


そんな会話を交わしながら、遥と町田がゲストたちを見送って行く。そして


「本日は本当にお疲れ様でした。」


最後の1人となった彩が2人の前に立った。


「全て無事終了しました。彩のお陰だよ。」


「そんなことない。2人が素敵なカップルだから、みんなが心から祝福出来て、心から笑顔になれたんだよ。そんな2人の式にプランナーとして、ゲストとして参加出来て、私は嬉しかった。感謝してます。」


その彩の言葉を聞いて、遥と町田は、嬉しそうに笑顔を浮かべる。


「明日、私が出勤して来る頃には、2人はもう飛行機の上だね。」


「うん。朝早いから、今夜はここでもう一泊、ノンビリさせてもらうね。」


「えっ、ノンビリ出来るの?」


「バ、バカ。彩にそういう下ネタは似合わないから止めてよ。」


からかわれて、顔を赤くする遥。


「ゴメン。じゃ、2人とも気をつけてね。」


そう言って、歩き出そうとする彩に


「廣瀬。」


町田が声を掛ける。


「これ。」


と言いながら、携帯の画面を見せる。そこにはウェディングドレス姿の遥と町田、それに2人のやや後ろにプランナーとして、凛々しい表情で立つ彩のスリーショットが。


「祝電くれた人たちに、さっき無事に式が終わった報告とお礼を兼ねて、メール送ったんだけど、尚輝には、この写真添付したから。」


「え?なんで私が写ってるのを?」


「当たり前だろ。尚輝に俺たちのツーショット送ったって、喜ばねぇからな。」


「確かに。」


「マチヒロ・・・。」


町田の言い草に、遥が笑いながら頷き、彩は苦笑いを浮かべる。


「廣瀬、本当にいろいろありがとうな。忙しいだろうけど、是非新居にも遊びに来てくれ。待ってるから。」


「そうだよ。我が家のお客様第一号は絶対彩だから。」


「光栄です。是非、お邪魔させてもらいます。じゃ、またね。」


そう言って、笑顔を送ると彩は歩き出す。


2人の友情が心にしみた。