「無理で……」 「その台詞はダメだと言ったよな?」 「……本部長は女子社員から人気があるんですよ。私が担当ってだけで、みんな大騒ぎしてるんです。プライベートもなんて冗談でも言ったらダメです。私きっといじめられます」 「ふーん。俺も橋本に怒られるかもな」 「え?」 「いや、こっちの話。とにかく、しっかりしろ。大丈夫か?」 「……はい。ありがとうございました」 その場は書類をもらい、顔を隠しながら出た。 とうとう社長賞の表彰式の時間が来た。 昼過ぎにロッカールームで着替えて準備をした。