隠し部屋を担当している身としては、あまりにも暇でみんなに悪いだの。

 他の管理人に話していたところをちょこっと聞いただけだけど。

 あれは、何だったのかな?

 まあ、いっか。



「宝箱の場所は教えられませんけど、がんばってくださいね」

「ありがとう。卒業がかかってるから、がんばるよ」



 ああ、そういえば、このダンジョン、
 職業訓練学校の卒業試験に使われるんだっけ。

 そこの生徒さんだったのね。

 じゃあ、冒険者さんじゃなくて、挑戦者さんか。

 ここは地下四階だから、証明書のある地下五階まではあとちょっとだ。



「それにしても、本番のダンジョンには、魔王がいるんですよね。怖くはないですか?」

 疑問に思っていたことを聞いてみる。

 基本的に、ダンジョンの一番下の階には魔王がいる。

 ダンジョンの主(ぬし)だ。