恋花ロマンチカ



「あーなるほど、面倒事そこで堰き止めてんのかあいつ」

あたしの知りえない何かを理解した片桐先輩は、納得したように相槌を打つから「面倒事?」といえば「こっちのはなし」質問は一切受け入れてはくれなかった。


セリナには、会った時に言うね、期待しないでね、と、念を押すと、うん、期待しない。流石に懐の深い彼女はあたしの意を汲んでくれた。


「そう言えば、つぎ、球技大会の種目決めだよね。片桐先輩何でるんすか?」

「サッカーしたいけど、バスケかなー」

「うわ、バスケ似合いますね」

「香澄ちゃんは?」

「バレーっすね」

「似合うねー。元バレー部?」

「そーっすね。一応、エースでしたよ」

「想像つくわ」


あたしを置いて、二人は謎の会話が成立しているから

「…………球技大会?」

初耳の単語に、首を傾げてみせる。


「二週間後にあるんよ、球技大会」


球技大会、球技大会、と、再び同じ単語が脳内で木霊する。


「聞いてない」

「クラス委員のくせに」


…………球技大会があるらしい。