恋花ロマンチカ

「なんでお兄ちゃんのこと知ってるんですか?」

「似てるじゃん」

似て……!?

再び噎せそうになる。

だって、あの無口で無愛想で寝癖で不機嫌な男と似ているなんて、生まれてこの方言われたことがないからだ。似ているって、甘党な所くらい。

パクパクと口を動かしていると、片桐先輩は数えるみたいに華奢な指を折っていく。


「話聞かないとことか」

「片桐先輩に言われたくないですね、それ」

「頑固なところとか、意地張ってるところとか?」


……良く、知ってるな。

「見た目じゃなくて中身似てるのウケますね」

何も知らないセリナは、何だか興味深そうだ。

「逆に香澄ちゃんはなんで知らないの?言ってないの?」

「どうせ言っても知らないと思うので、周りに言ってません」

「へぇ、そうかな」

ふふん、と、見透かしたような、色っぽい視線。

なんだか負けた気がして、つん、と唇を尖らせる。

「それに、お兄ちゃんが自分で、周りに言いふらすなって言ったんです」


自分でそんなこと言ってたのに、自分は周囲に言いふらしてるという理不尽さ。家に帰ったら問い詰めることを決める。