「てか、なんで小鳥遊《たかなし》があのメンツにいるわけ」
「似合わねーのにね」
「自分の容姿しらないのかな」
「うける」
その中の一人のことだろう、それなのに、自分のことを言われた気がして、心臓が嫌な汗をかき、どく、どく、と、鼓動が音を鳴らして呼吸が乱れる。
足が、竦む。
こんな空気の中、こんな視線の中、呑気にご飯なんか食べれるわけない。
咄嗟に、セリナの手を引いた。
「……やっぱ、無理、帰る」
「どうしたの、ひな」
「か、たぎり先輩には、ごめんって、言ってて」
「すぐそこに居るよ?」
「ご、ごめん。無理、だ」
「じゃあ、言ってくるから待ってて」
セリナはあたしに言えば一人でその人たちの元へ行ってしまった。
堂々と歩みを進めるセリナの通り道は光が差しているようにも見えた。
あたしには眩しすぎて目が眩むから、影に向かってじゃないと歩けない。
逃げるように学食を後にして、早足で自分の校舎まで戻った。階段下の影までたどり着くと、短い距離なのにもう息が上がっていた。
そうだ、近頃片桐先輩の近くに居すぎて忘れていたけれど、元々あたしたちの立ち位置なんてこんなもの。



