*
その日は朝から決まりのやり取りは終わった。靴箱に置かれたそれに大袈裟に驚くことも無くなっていた。
──今日、忘れないでね
学食の事だろう。気乗りはしないけれど、セリナが一緒だから、きっと、大丈夫。
呪文のように繰り返す。
生徒でごった返す昼時の学食。見慣れたはずの戦場はいつの間にか形を変え、公開処刑場と化していた。
「地味すぎない」「趣味悪」
朧気に耳にする悪意のあるワードは全てあたしの事を指していているように聞こえる。
ナイフのような視線、蠢く言葉。空気が薄くなり、胸が閊える。
「あ、あれじゃね?」
セリナの視線を目で追うと、その先は、四人がけのテーブルがあった。それを囲う生徒のうちの一人は確かに片桐先輩だ。隣に眼鏡をかけた黒髪の男子がいた。それとはべつに、ふたつの後ろ姿がみえた。
ひとりは、なんだか見覚えがあるようにも



