恋花ロマンチカ

教室まで帰る間、やたらと片桐先輩のことが気になってしまったから、熱を帯びた頬を咎めるように抓った。

とにかく、あたしは他に好きな人見つけないと。

男子の頭の上に吹き出しとか出て、この人オススメだよ、とか、この人君のこと好きだよ、そんな表示があれば見付けやすいのに。

……でも、興味ないって表示ばかりだと悲しいし、やっぱり見えなくていいかも。

片桐先輩は、そうだな、芸能人とか見て耐性つけよう。雑誌片手にドラマ見漁って、イケメンが出る動画流してたら勝手につくでしょう。うん。

教室にたどり着き、いつものルートでテリトリーに戻れば「おかえり」セリナが言うので「ただいま」やっと一息つく。

「顔赤くね?片桐先輩の色気に充てられた?」

「うそ、まだ!?」

「…………何してたの」

「なにも!!全然、なにも!」

「ひなって嘘つくの下手すぎ」


しかし一瞬で胸が騒いでしまう。片桐先輩の余韻っていうのは、効きめがやたらと長いみたいだ。

ふと、先程の会話を思い出し「そうだ、月曜学食いかない?」と尋ねれば「いいよ、月曜ね」セリナは二つ返事をくれた。

よし、セリナも一緒なら、学食でも何とかやり過ごせるでしょ。

なんとか心を持ち直すも「まって」再び、ある事実に気づく。

「え、嘘だ。もう一週間経ったの?あの条件作って?」

友人に事実確認を取れば「あと三週間で浮気できんの?」綺麗に微笑むセリナの言葉に、ぐうの音も出なかった。