何度目だろう、ため息を出しかけて、お腹に留めるみたいにご飯を口の中に放り込む。
あたしが食べ終わるまで、ひと足先に食べ終えた片桐先輩はスマホを触っている。たまに「うまそー」とか言われるから、蓋でお弁当を隠して、急いで口を動かす。
どうでもいいけど、片桐先輩と一緒に過ごすようになって、ご飯を食べるスピードが格段に早くなった気がする。食べているところ見られたくないし、おかずを取られたくない。
だけど結局、食べ終わったら本格的に片桐先輩と話すしかなくて、いつの間にか予鈴がなって、有意義な筈の昼休みはあっという間に過ぎてしまう。
こんな関係が続くのを指を咥えて待つのも癪だからやっぱり早く好きな人を作らなくちゃ。
決意を込めて、お弁当箱の蓋を閉めていれば
「あ、いたいた〜。巧ぃ〜」
知らない声が、彼を見つける。
必然的に声の方を振り向くと、女子生徒が跳ねるように階段を駆け上がっては、彼の膝の上に跨るようにしゃがみ込む。
その状態のまま、嬉しそうに片桐先輩に抱き着く女子。
「いやなんで来てんの」
「えー、だって巧、捕まんないじゃん」
顔を離した女子が軽く腰を浮かせる。必然的に近づくふたりの距離。
目の前で繰り広げられたのは、さも当然のように流れる動作。
カラン、乾いた音が鳴る。あたしの手の中から落ちたお弁当箱だった。
あたしが食べ終わるまで、ひと足先に食べ終えた片桐先輩はスマホを触っている。たまに「うまそー」とか言われるから、蓋でお弁当を隠して、急いで口を動かす。
どうでもいいけど、片桐先輩と一緒に過ごすようになって、ご飯を食べるスピードが格段に早くなった気がする。食べているところ見られたくないし、おかずを取られたくない。
だけど結局、食べ終わったら本格的に片桐先輩と話すしかなくて、いつの間にか予鈴がなって、有意義な筈の昼休みはあっという間に過ぎてしまう。
こんな関係が続くのを指を咥えて待つのも癪だからやっぱり早く好きな人を作らなくちゃ。
決意を込めて、お弁当箱の蓋を閉めていれば
「あ、いたいた〜。巧ぃ〜」
知らない声が、彼を見つける。
必然的に声の方を振り向くと、女子生徒が跳ねるように階段を駆け上がっては、彼の膝の上に跨るようにしゃがみ込む。
その状態のまま、嬉しそうに片桐先輩に抱き着く女子。
「いやなんで来てんの」
「えー、だって巧、捕まんないじゃん」
顔を離した女子が軽く腰を浮かせる。必然的に近づくふたりの距離。
目の前で繰り広げられたのは、さも当然のように流れる動作。
カラン、乾いた音が鳴る。あたしの手の中から落ちたお弁当箱だった。



