恋花ロマンチカ

……お兄ちゃんたちとは、今までずっと別の学校だったから。ようやく一緒の学校に通えて楽しみだったのにな。

淡雪のような、子どもっぽい期待をした。

見慣れた真っ白のセーラー服から、着慣れないブレザーに変わるってだけで心が弾んだ。

ベージュ色をベースに深い緑が交差するチェックのスカートだって、胸元にエンブレムの施されたキャメル色のブレザーだって、袖口の丸い釦だって、深紅のレジメストライプのリボンだって、制服の全部がとびきりに可愛くて。

袖を通して、直ぐにお兄ちゃんに見せたら、あたしを一瞥したその顔は不機嫌そうに歪んだ。



『お前さ、俺の妹だって絶対周りに言いふらすなよ』



無気力な瞳のまま、あたしを拒絶したのだ。



あの二人も、きっと同じ気持ち。

昔はよく一緒に遊んでくれたお兄ちゃんたち。だけど、あの一件・・以来、ぷつりと糸が切れたみたいに、音沙汰がなくなった。

たまに、どちらかが家に来ているけど、話すこともないし目も合わせてくれない。

お兄ちゃんも、あたしが一緒の学校だと、迷惑だったのかなあ。こんなモサい女が妹とか、ダサい幼なじみがいるのが恥ずかしいと思ったのかな。


入学して何度も悩んだ心の靄を消すみたいに、しめっぽいため息を、零す。