恋花ロマンチカ

先程の事の顛末を話した。ひけらかしては言えないから、こっそりと。たぶん、片桐先輩と付き合うようになって、一番と言えるほど意気揚々と語れた筈だ。

だけど、話をすべて聞き終えたセリナは「は?」短い一言の直後、堪えきれず、と言った風に大きな口を開けて笑った。

見ているこちらも清々しくなる笑い声。しかし特に面白い話でもなく、ウケを狙ったつもりでも無い。

あたし、なにかおかしいこと言ったかな。と、流石に不安になる。

「はー、おかしい」

くつくつと肩を揺らしながら、セリナは息を整える。

「どしたの?思い出し笑い?」首を傾げれば「そんなわけ」いつもの調子で鋭く遮られる。

「あんた、意味わかってんの?」

「意味、というと?」

「浮気するんでしょ?」

ぱきりとした声に、あたしの脳内には、てん、てん、てん、が、ゆっくりと流れ、

「………………浮気?」

真相を確かめるみたいに言葉を吐き出す。