恋花ロマンチカ




「俺推薦でここ受験したんだけどね?学費も家賃も免除だから、すげー楽だし、ちょうど良くて」

……ちょうどいい?どこが?

彼の口は淡々と、ゆるい説明を告げる。だけど、その説明は意図も簡単に新たな疑問を生む。

だって、いくらこの地が県の中枢地とは言え、今言った彼の地元との間に栄えている地域もある。わざわざこんな遠くまで来なくても、推薦だったら入学できる高校たくさんあったはずだ。


「ひなはどこ中?」

「……出身は、南美《なんび》です」


この舜珱《しゅんよう》高校って、県で何番目かにはいる程の進学校なのに。……そんなに頭いいのかな、この人。


「あー、南美ねぇ。二中?」

「…………二中じゃないです」


二中校区だけど、と、心の中で返事をして、頭では彼への議題に打ち込む。だって、チャラそうで、軽そうで、頭良さそうには全然見えない。

良いのは多分、顔だけ。むしろ顔推薦かな?顔面偏差値が良ければ通るのかな?あたしはあんなに頑張って入試を受けたっていうのに。ずるい。