「こんな簡単なことをそんな遅くまで、一つ一つ考えてたんだ」
なんだかとてつもなく不本意な事を言われた気がするけれど「そうですね」真に受けずに、できるだけツンとした態度で返す。
「そんっっなに俺と長続きさせたい?」
耳障りの良い声。人を小馬鹿にした、癇に障る声。カン、と、再びゴングが鳴る。
「そんなわけないです!なんですか!?ポジティブ星人ですか!?」
「何処だよそれ、生まれも育ちもメイドインジャパンでーす」
「……でも、片桐先輩って、この辺の人じゃないんですよね」
いつか聞いた噂話をなぞれば「ぴんぽーん」彼の口から正解がこぼれ落ちる。
「翡翠が丘って知ってる?その辺」
すぅっと馴染むその声が、次に聞かせた正解。だけど、あたしの脳内に短い驚愕がうまれた。
「遠くないですか!?県境ですよ!?」
「めちゃくちゃ遠いねぇ。電車で片道三時間は掛かるかな」
「な、なんでそんな所から?」
思わず詰め寄ると、彼の視線が宙を漂う。



