「か、簡単に触らないでって書いてましたよね!?」
「そうだっけ、いちいち覚えてねーよ」
「い、いま見ましたよね!?即確認してください!」
「あー充電切れちゃった」
目許だけを下げた片桐先輩は滑らかそうな、薄い手のひらを翻す。
……絶対うそだ。こんな見え透いた嘘に振り回されたくなくて、ため息とともに鬱憤を吐き出した。
「ちゃんと、守ってくださいね」
「ひなが言うこと聞くならね」
「片桐先輩が守るなら聞きますよ」
はは、と、片桐先輩は息だけの笑顔を零すと、スマホの画面に左っ側の親指を乗せた。
「つぅかLINE一日一通って無理じゃね」
そうして彼は、ひらひらと画面をあたしに向ける。やっぱり嘘じゃん、言いかけて、やめた。こんな押し問答はキリがない。
「その一通で、一日分全部送ってください」
「電話も一回かよ」
「当たり前です!」
「逆に毎日一度はかけていいってことか」
「………………!?!?!?」
ふーん、嫌みなほどに上機嫌な声が、片方の耳から頭の中を通り抜ける。
「あ、いや、それは」言いかけた言葉は「ていうか」彼の声で包み込まれてしまうので、口の中に消えた。
「そうだっけ、いちいち覚えてねーよ」
「い、いま見ましたよね!?即確認してください!」
「あー充電切れちゃった」
目許だけを下げた片桐先輩は滑らかそうな、薄い手のひらを翻す。
……絶対うそだ。こんな見え透いた嘘に振り回されたくなくて、ため息とともに鬱憤を吐き出した。
「ちゃんと、守ってくださいね」
「ひなが言うこと聞くならね」
「片桐先輩が守るなら聞きますよ」
はは、と、片桐先輩は息だけの笑顔を零すと、スマホの画面に左っ側の親指を乗せた。
「つぅかLINE一日一通って無理じゃね」
そうして彼は、ひらひらと画面をあたしに向ける。やっぱり嘘じゃん、言いかけて、やめた。こんな押し問答はキリがない。
「その一通で、一日分全部送ってください」
「電話も一回かよ」
「当たり前です!」
「逆に毎日一度はかけていいってことか」
「………………!?!?!?」
ふーん、嫌みなほどに上機嫌な声が、片方の耳から頭の中を通り抜ける。
「あ、いや、それは」言いかけた言葉は「ていうか」彼の声で包み込まれてしまうので、口の中に消えた。



