4人の男の子たちの紹介が終わると、今度は太一さんがわたし達家族のことをみんなに紹介する。

「こちらが、今日から『たいようの家』の立て直しを手伝ってもらうことになった父さんの友達家族。速水航一くんと、ゆり子さん。それから、真凛ちゃん」

 太一さんがわたしの名前を呼ぶと、男の子たちの視線がまたいっせいに集まる。

 東京の学校で、わたしは特別モテるほうじゃなかったし、男子の友達が多いわけでもなかった。

 だから、複数の男の子たち(しかも、全員イケメン……!)から見られることに慣れなくて、ちょっと恥ずかしい。

 顔を赤くしてペコッと頭を下げたら、陸くんと空くんがにこにこ笑いかけてきて、暉くんはペコッと頭を下げ返してくる。だけど海くんだけは無表情で、わたしからふいっと視線をそらした。

 海くんはきっと、わたし達家族が『たいようの家』に来たことをよく思ってないんだ……。

 わたしは海くんの態度にムッとするというか。ちょっと嫌な気分になった。

 わたしだって『たいようの家』に来たくて来たわけじゃない。ここで同居することになるパパの友達の子どもがみんな男の子だっていうのも、嫌だなって思ってた。

 だから、嫌な顔をする権利は海くんじゃなくて、わたしのほうにあるはずなのに……。

 きゅっと眉間に力を入れて海くんを見ると、わたしの視線に気付いた彼が顔をあげる。目力の強い海くんの薄茶色の瞳と視線がぶつかって、わたしの心臓がドクンと鳴った。