バレンタインから1週間が過ぎた、とある日の放課後。

「失礼しました~」
「まどかちゃん、ちょっといい?」
「ッ?!……あ、はい」

職員室から出て来たまどかに声をかけた朝陽。
何か用でもあるのかな?と思い、朝陽の後について行くと。

「25日の開校記念日に、廉とデートするんだよね?」
「っ……、あ、はい」

上條君と朝陽君の仲だから、話が筒抜けでも仕方ないか。

「その日ね、廉の誕生日なんだよね」
「え?」
「廉は何も言ってないと思うんだけど、まどかちゃんには知らせておいた方がいいかな?と思って」

にこっと笑顔を向けられ、朝陽君の優しさが伝わって来る。

「教えてくれて、ありがとう」
「どういたしまして。2人で楽しんで来てね」
「うん」
「じゃあ、また明日ね」
「また明日」

爽やかに手を振る朝陽君を見送ると、少し離れた所に女の子2人が待っている。

「朝陽くん、もういいの~?」
「用事は済んだの?」
「うん、終わったよ~。甘いものでも食べに行こうか」
「やったぁ♪」
「私、ルシェのパフェ食べたーい!」
「おっ、いいね~」

相変わらずおモテになるようで、両手に華を抱え玄関の方へと。

誕生日か。
あと4日しかない。
プレゼント、どうしよう。

教室に鞄を取りに戻る。

「和香、お待たせ~」
「見てみてっ、香港との合作映画に出るみたい!!」

推しメン情報を見ていた和香が、瞳を輝かせて駆け寄って来た。

「ホントだっ!英語ペラペラだしね~」
「もう日本に留まらず、世界に目を向け始めたのかも~♪」

ルンルンに瞳を輝かせる和香が可愛く見えて、ホッと和む。