チカ先輩のお気に入り。





後ろから話しかけてきた伊緒くんは、不思議そうな顔をしていて。

そうだよ!!周りの人に心配なんてかけられない!!
いつも通り、笑顔でいよう。
そっちの方がいいはずだ。


軽く自分の頬を叩いて気持ちを切り替える。


「ええ、急にどうしたの……ちょっと怖い」

「…うるさいよ」


頬を叩いた私を変な目で見てきた伊緒くんに、ノリで軽く睨んだ。


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「雪桜ちゃん」

「はい!」

「…やっぱり、なんか今日おかしいね」

「な……っ!」


帰り道、チカ先輩と歩いているとふと名前を呼ばれて返事をした。
何かと思ったら、なんかディスられてるんですけど。


「さっきから元気すぎておかしいよ」

「なんですかそれ……!!」

「じゃあ、さっきなんの話してたか覚えてる?」

「え?えー…っと、」


なんで失礼なこと言うんだ、と思ったが。