その瞬間。
パチッと目が合ったように感じて、慌てて目をそらす。
そんな私を不審に思ったのか、二人は廊下を見て。
「……絶対あの人たちだわ」
「派手だねえ……めっちゃ睨んでるよ」
「雪桜はあの人達の方見ないで」
「わかった……」
まやちゃんはチラチラと様子を伺いながらも私と目を合わせて安心させてくれて。
花菜ちゃんはお得意な冷たい視線を先輩達に向けている。
でも、特にその日はなにもなくて。
そのまま昼休みが終わり先輩達は帰っていってしまった。
「なんだったのあれ」
「昼休みって一単語書いてきた割にはなんもなかったね」
ふう、と安心して二人は席に戻って。
……でも、多分これで終わりじゃない。
そう思って少し不安な気持ちになる。
「どうしたの三倉ちゃん。元気ないね」
「伊緒くん……、ううん!そんなことないよ!!」
「…そう?ならいいけど」

