「な、なんでこっち来るんですか……っ!」


色気を含んだ笑顔で、一歩一歩と私に近づいてくるチカ先輩に、反射的に後ずさる。

も、もういいじゃん……っ、勘弁してよ……っ!

わ、私、チカ先輩との距離感慣れてないんだよ……っ!


「……っ、ちょ、近……っ」

「自分の言葉、責任持ってね?」

「え……?」


いつの間にか距離はほぼなくなって。
顔が、ものすごく近い。動けない。

すると、チカ先輩の顔は私の耳元に近づいて、チカ先輩の腕は私の腰に回って。
自然と抱き寄せられる形になった。


「いつでも一緒にいてくれるんでしょ?」

「……っ」


なんで、そんな近くで色気のある声して囁いてくるの。
耳まで熱い。心臓がうるさくてどうしようもない。

パッと離れたチカ先輩は、私の反応を見て満足そうに笑っていた。


「……可愛いね、雪桜ちゃん」


ああ、もう限界。
こんなの慣れないよ、チカ先輩。