笑いながら誘いを断っているチカ先輩に、女の先輩達は不満そうな顔をする。
わあ……チカ先輩って、本当にモテるんだ……。
いざ目の当たりにするとチカ先輩が遠い存在のように感じる。
「え〜〜なにそれ〜〜」
「私たち、そろそろ知佳に相手してもらいたいなーって」
一人の女の先輩がチカ先輩の腕にギュッと抱きついた。
うわ……。
いつの間にか私はピタッと足を止めていた。
あそこ通るのは、さすがに気まずい。
それに、なんだかあの光景を見ていると胸がザワザワする。
「離してもらえる?」
「やだ〜冷た〜い」
チカ先輩は笑顔のまま、抱かれていた腕を振り払っていた。
チカ先輩って、あんな美人な先輩にもあの態度なの……っ?!
来る者拒まずなんじゃないの……?っていう疑問が浮かぶが、そんなこと気にしてる場合じゃない。

