チカ先輩のお気に入り。





そんな私を見て余裕そうに笑ったチカ先輩に少し悔しくなる。


「早く行こう。電車乗り遅れちゃうからね」


チカ先輩の言葉に頷いて並んで歩き出す。
チカ先輩の隣は、やっぱり心臓がうるさくて落ち着かないものだった。



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「雪桜、最近朝も知佳先輩と来てるね」

「うん……なんか電車で会うんだよね」


それから一週間ぐらい経った今。
いつもの様に朝から私の席に集まっている。


「知佳先輩って電車の時間不規則なのに、最近はずっとこの時間じゃん」

「そうなんだよね。電車乗るといつも横でニコニコして立ってるんだよ」


確かになあ……。初めて朝電車で会った時、チカ先輩は電車の時間バラバラって言ってたのに。
ここ最近はずっと同じ時間に乗っている。

さっき自販機で買った紙パックのいちごミルクを飲もうと口に入れる。