チカ先輩のお気に入り。





わー、すっごく意味わかんない。
犬じゃないって言ってるでしょうが。

チカ先輩に、何言ってるんですかって目線を送る。


「とにかく。俺の前でそいつの話しないで」

「……わかりました」


だからってチカ先輩を怒らせたくなんてない。敵に回したらヤバいタイプの人だから。
ここは大人しく従っとこうと思って頷いた。


「いい子」

「……っ!?」


すると、チカ先輩の手が私の頭に置かれて。
中腰になって私と目線の高さを合わせてくる。

意外と近い距離で微笑まれて、思わずドキッと心臓が大きく動く。
こ、この人、距離感やっぱりおかしいって……っ!!

綺麗な顔が近くにあると、慣れないものだ。


「その顔、俺以外に見せたら怒るからね」

「……っ」


かああっと顔に熱が集中する。
誰がこんな顔他の人に見せれるんだ……っ!!
とにかく近い……!!と思ってブンブンと顔を縦に振る。