チカ先輩のお気に入り。




私も、伊緒くんとは早く打ち解けた。席が前後なこともあって、よく話す唯一の男子だ。

伊緒くんが来てくれて助かった……じゃないと、今朝のこと二人に問い出されてた。


「伊緒くんタイミングナイスすぎるよ……」

「え?なにが?」

「いや、ほんと最悪だわ。空気読め」

「え?なにもうこの三人組」


私が伊緒くんに感謝して、まやちゃんと花菜ちゃんは伊緒くんを睨んでいる。
理由を知らない伊緒くんは私たちに怯える素振りをした。


「はい!!席ついて二人とも!散った散った!!」

「いや、先生来てないよまだ」

「もう来るから!!一分前行動!」


SHRまであと一分ぐらいのとき、私はまやちゃんと花菜ちゃんの背中を押して席に戻す。
ふう……助かった。


「なにがあったの?」

「なにもないよ」

「俺に隠し事……?ひどいよ三倉ちゃん」

「どういう立場?」


後ろの席に座った伊緒くんは、私に話しかけてきて。