「幼馴染らしいんだよ!お色気王子と爽やかナイト!!」
「は……?爽やかナイト……?」
もしかして、これは夏目先輩の呼び名なの……?
ネーミングセンス……誰がつけたんだこの名前。
「夏目先輩、めっちゃ優しかったでしょ!?爽やかで!!」
「まあ、確かに……」
「はあ……羨ましいよ雪桜……あの二人に囲まれるなんて」
「いや……そんないい状況じゃなかったけど」
昨日の事を思い浮かべる。確かに囲まれたかもしれないけど。私はただチカ先輩から逃げてただけなんだよなぁ。
「ていうか、髪縛らないの?」
「あ……そうだった」
「電車で縛ればよかったのに」
「それがさあ……チカ先輩が……、あ」
「「は?」」
やば……口が滑った。朝のことは言ってなかったのに。
ぎらりと光った二人の目が私を捉えて。
あー、これまた話す羽目になるな。

