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最寄り駅につき、急いで改札を通る。

もう、髪邪魔だ……っ。
走ることによって髪が動くから、たまに口の中に入りそうになる。

やっぱりポニテが一番楽なのよ……。


寝坊した自分を恨みながら階段を駆け上がり、ホームにつくと電車がちょうど来て、目の前で扉が開いた。


間に合った……。
ふう、と息を吐いて電車に乗り込むと。


「……あれ、雪桜ちゃん?」


乗り込んだすぐ横から、聞き覚えのある声が私の名前を呼んだ。
まさか……と思いながら恐る恐る視線を向けると、


「やっぱり雪桜ちゃんだ。おはよう」

「…お、はよう、ございます」


チカ先輩が、スマホを片手に持ちながら私を見てニコニコ笑っていた。
なんでチカ先輩がいるの……っ!?もしかしていつもこの時間だったり……?


「いや、俺はいつも電車の時間はバラバラだよ」

「あ……」