チカ先輩のその言葉に、声に、表情に。
胸がギュッといっぱいになって。
「…っ、私も好き!」
「……っ」
「出会ってくれてありがとう、知佳先輩」
私も同じ言葉を返すと、チカ先輩は笑って。
そのままもう一度、私の唇にキスをした。
「……雪桜には、敵わないな」
「私だって、知佳先輩には敵わないよ?」
「……そういうとこだよ」
おでこをコツンと合わせて笑い合う。
私の幸せは、チカ先輩がいて成り立つものだから。
「…俺、一生離してあげないから」
「……っ」
色気の含んだ表情でそう言ったチカ先輩に、うるさいぐらい心臓が高鳴って。
「…っ、私だって、離しません!」
嬉しくて、顔に熱が集中しながらも笑ってそう言うと。
そんな私を、愛おしくてたまらないというような目で見つめてくるチカ先輩の腕の中に閉じ込められた。
赤いゼラニウムが、私たちの後ろでヒラヒラと風になびいて微笑んでいる。
"君ありて幸福"
─────という意味を持って。
『チカ先輩のお気に入り。』
Fin.