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「はぁ…はぁ……」
「まだ足りないけど、今日のところはここまでにしてあげるね」
「ま、まだ足りないの……っ!?」
あれからどれぐらい時間が経ったんだろう。
チャイムが鳴る五分前になってやっと止まって。
それでもまだ足りないだなんて……私こんなに息切れしてるのに。
もしかして、チカ先輩ってキス好きなのかも。
チカ先輩はそのままソファから立って。
私も続けて立つ……けど。
「…っわ」
「…危な」
足に力が入らなくて、倒れそうになる。
それをチカ先輩が咄嗟に支えてくれた。
……嘘、キスしたらこんなになるの……っ?
「大丈夫だよ、これから慣れてくから」
「な……っ!」
な、慣れるって……っ。
至近距離で笑ってそう言うチカ先輩に、顔が熱くなる。
ドキドキうるさい心臓に、おかしくなりそうになって。
チカ先輩に比べれば、まだまだ私は子供だということを実感させられた。
な、慣れる気、一生しません……!!

