当たり前、とでも言うような顔をしてそう言ったチカ先輩に分かりやすく喜んでしまう。


「ほんと……?」

「うん、俺だって雪桜と離れたくないし」

「…っ、へへ」


……やった。すごく、嬉しい。
思わずニコニコと笑うと、チカ先輩は一瞬固まって。その後すぐにため息をついた。


「……なにしても可愛いね」

「…っ」

「俺この先我慢とか無理かも」


なんの我慢なのかはわからないけど。
でも、チカ先輩がくれる一言一言が嬉しい。


「…あ、雨止んだね」

「あ、ほんとだ!」

「多分制服乾かないから、その服着て帰っていいよ」

「ありがとうございます」


チカ先輩が窓の外を確認すると、もう雨はやんでいて。
よし、遅くなっちゃうからもう帰ろう。
そう思って、自分の荷物を持ち立ち上がると、チカ先輩もそれに続いて立ち上がる。


「忘れ物はない?」

「大丈夫です」

「なら行こうか」