「…ああ、ほんと。馬鹿みたいにな」
有紗さんのその言葉に、少し苦しそうな顔をしてそう呟いたチカ先輩。
……っ、ほんと、なんで有紗さんは何度も何度もチカ先輩を傷つけるわけ……っ？
なんで、私はずっと黙ってるの……？こんなの、私らしくないじゃない。
「…もういい、話が通じない。行こう雪桜ちゃん」
チカ先輩が私の手を掴み、有紗さんの横を通ろうとする。
でも、私はチカ先輩の腕をクイッと引っ張って歩みを止めた。
「…まってチカ先輩。私、有紗さんに言いたいことがあるの」
「雪桜ちゃん、もういいよ」
「だめ、お願い」
「雪桜……っ！」
ごめん、辛いよね。この場にいたくないっていうのはわかるの。
でも私は、負けないって決めたんだ。
「……有紗さん」
「……なに？」
