よくこんなところ知ってるな。
そう思ってチラッとチカ先輩を見ると、チカ先輩はニコッと笑って座りながら手を広げてきている。
……ん?
「えーっと……?」
「おいでよ」
「はい……?」
「俺の抱き枕になって」
「だ……っ!?」
だ、だ、抱き枕……っ!?
それって、私チカ先輩に抱きしめられなきゃいけないじゃん……っ!
突然のことに、かああっと顔に熱が集中する。
や、やばい分かりやすく顔赤くなってる気がする……っ。
「あれあれ?顔真っ赤にしちゃって、意外と可愛いところもあるね」
「い、意外とってなんですか……っ!!」
「はやくおいでよ。俺眠いんだけど」
「で、でも……」
「……雪桜」
「……っへ」
眠いとか知らないからあ……っ!!
そう思って渋ってた時に。
チカ先輩は、私のことを雪桜と呼んだ。いつもは雪桜ちゃんなのに。
固まって動揺した私に、意地悪そうに笑って。
な、なんなのこの人……っ、慣れすぎでしょ……っ。

