でもまたすぐにニコッと笑って手を離した。
でもそれは頭に乗せていた手だけで、もう片方の手はずっと私を支えてくれていて。

そんな細かいことにキュンっとしてしまう。


「…学校まで我慢してね」

「……?」


急に、訳の分からないことを呟いて。
どういう意味か理解出来ずにチカ先輩を見上げたが、チカ先輩は何も言わずに私に笑いかけてくれた。


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電車を降りて改札を出る。

そのまま学校に向かって歩き出すと、周りにも何人か同じ学校の人が登校してきている。

……周りに人がいるにも関わらず、チカ先輩は私の手を握り歩いていて。


誤解、されちゃうよ……っ?なんて思うけど、全く気にしていない様子だった。

今日はずっと体温が上がりっぱなしだなあ。
浮かれすぎているのかフワフワしてるし。

周りからの視線もいつもより気にならず、その手のまま学校まで歩いた。