チカ先輩のお気に入り。





この感情の名前はまだ知らなくていいって、今日の昼休みに思ったばかりなのに。

……私、チカ先輩のことが好きなんだな。
最初はあれだけ嫌だったのに、結局チカ先輩に恋してしまった。


「答え、でた?」

「…うん。チカ先輩が好き」

「ふふっ、そっか」


……ありがとう二人とも。
ずっと助けてもらってばかりだ。


「雪桜なら大丈夫だよ」

「…うん」

「私ら、そう確信してるから。自信持って」

「…っありがとう!」


目の前に座ってた花菜ちゃんがポンっとわたしの肩に手を置き応援してくれる。
……好きだって自覚したなら、私だって頑張らなきゃ。

あの女の人が誰なのかはわからないけど、でも。
……頑張りたい。例えいい結果にならなかったとしても後悔だけはしたくない。


「私……頑張るね」


ニコッと微笑む。
上手く、笑えているかな。
前向きなことを考えても、心の片隅ではやっぱり女の人が気になって。