チカ先輩のお気に入り。





注文したものが全部届いて食べ始めると、花菜ちゃんが眉を下げて私の心配をしてくれて。
……うん、嘘だよ。大丈夫なわけない。


「……あの人が、噂のチカ先輩の好きな人なのかなあ」

「…私はどっからどう見ても、チカ先輩は雪桜のことを大切にしてると思うけどな」

「……私にはわかんない」

「ただ、あの女の人とチカ先輩がなんらかの関わりがあるのはわかる」


……うん、それはわかる。
きっとチカ先輩と深く関わってきた人なんだろうなって。

ああ、もう。複雑だ。
こんな気持ちになる自分が嫌。
私が踏み込んでいいことじゃないのに、すごく気になってしまう。


「…嫉妬だね」

「嫉妬……っ?」

「うん、それは嫉妬だよ雪桜」

「……っ」


困ったように、でもどこか嬉しそうに微笑んでそう言った二人。
……そうか、嫉妬なんだ。
案外すんなりと嫉妬という文字が入ってきて自覚する。

……私、嫉妬してたんだなあ。