「ごめん、なさい……!嫌わないで……!」
なんで嫌いになって欲しくないんだろう。
なんでか分からないのに、そう思ってしまう。
チカ先輩は口を開くことなく放心状態になって。
変に緊張したせいか息切れした私は、自分を落ち着かせて冷静になる。
は…っ!!まって、私……っ!!
「ご、ごめんなさい、タメ口使っちゃった……っ!!」
「……」
「あ、これもタメ口だ……っ、へ?」
タメ口を使っていたことに気づき焦っていると。
チカ先輩の影が動いて、そのまま私は強く抱きしめられてしまった。
な……っ、え?なに、この状況……っ。
急なことに困惑した私は、チカ先輩の腕の中で今の状況を整理する。
チカ先輩の匂いに、体温に、ドキドキ心臓が高鳴る。
すると、すぐに身体を離されてチカ先輩の顔がよく見えた。
「……っ」

