チカ先輩のお気に入り。





……っ、なんなの本当に。何考えてるの……っ?
ドキドキとうるさい心臓を抑えながら必死に落ち着かせる。

本当にわからないこの人。全く行動が読めないんだもん。


余裕そうなチカ先輩を軽く睨むと、からかうように笑ってきて。


「真っ赤な顔で睨まれても、ねえ」

「…っ誰のせいだと思ってるんですか!!」

「んー、俺?」


そう首傾げたチカ先輩がかっこいいのが余計ムカつくのだ。
もう……本当にこの人は……っ!!


「可愛いね雪桜ちゃん」

「…っ、騙されないんで」


ふんっと怒って睨むと、ケラケラ笑いながら可愛いなんて言葉を口にして。
本気ではなく、からかっているんだってことが分かっていたとしても赤面してしまう。

しばらくして、


「もう疲れたし帰る?」

「そうしましょう」


そう言って立ち上がったチカ先輩に、私も立ち上がる。


来週のテストのために早く休まなきゃ……。