「ありがとうございました」
「いいえ。せっかく教えたんだから赤点取らないでね」
「……頑張ります」
そんなチカ先輩の言葉に、自信満々ではいと言えるほどでもない。
でも、教えてもらったんだから頑張らなきゃ。
少し目を閉じると今すぐにでも寝れそうになる。
「チカ先輩って本当に頭いいんですね……」
「まあそれなりに」
「意外でしたよ……真面目に授業受けてなさそうなのに」
「……ふーん?」
体を机に預けたまま、そう呟く。
でも本当に助かった……きっと勉強してなかったら点数悪すぎて呼び出しくらってもおかしくないぐらいだったから……。
「ねえ雪桜ちゃん」
「はい……」
ふと私の名前を呼ぶ声が降ってきて。
その声に反応して顔を上げる、と。
「……っ」
思っていたよりも、近距離にチカ先輩の顔があって。
思わず息を飲み込んでしまう。

