「あー、本当雪桜ちゃんって面白い」

「なにも面白い要素なかったんですけど?」


不満ありげな顔をしてチカ先輩を睨むとまた笑顔が返ってきて。
ムカつくのに、ドキドキしてしまう私がいてパッと目を逸らす。


「あ、そろそろ時間だね」


ふと時計を見てそう呟くとチカ先輩がソファから立ち上がり、教室のドアの方へ歩く。


「あ、そういえば」

「はい」

「もうすぐテストだね」

「……え?」


チカ先輩の言葉に沈黙が流れる。
え……?まって、テスト……?
うっそ……っ!?嘘でしょ!?


「もしかして知らなかったの?」

「全く……」

「間抜けだね」


くっそぉ……っ!
ムカつくがそれどころではない。
まずい、非常にまずくないかこれは……。私勉強本当に無理なんだけど。

そう思っているとチカ先輩はニッコリと笑って、


「これから一週間、放課後ここで勉強会ね」

「え……?」


事前に決めていたかのように言い放ちスタスタと歩いていってしまう。

……どうやら私は、テスト期間でさえチカ先輩から離れられないみたいです。