チカ先輩のお気に入り。





焦ったような顔をした伊緒くんに、私たちは驚きでしかない。


「……雪桜ちゃん」

「あ、はい……」

「…来て」

「え……?あ、えっと、待ってください……!」


放心状態のチカ先輩がやっと口を開いてそう言う。
私は手に持っていたノート類を教室に置いてこなきゃいけないので、待ってと声をかけると。

伊緒くんが私に手を差し出してきてノートを渡せとでも言うように、


「行ってきな」


と笑ってくれた。
お言葉に甘えて、私は伊緒くんにノートを預けるとすぐ、チカ先輩に手を握られて引っ張られる。

本当にどうしたのチカ先輩……っ!!
そう思いながら足を動かして、いつもの空き教室まで来ていた。


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「え、えっと、チカ先輩……?」


ソファに座り、私を見つめてくるチカ先輩に声をかける。

私の事探してたって言ってたよね……?