「…あ、おい!!知佳……っ!!」
夏目の声なんて耳にも入らず気づいたら俺は走り出していた。
*
「……ってこと」
「……カツアゲで全部もっていかれました」
チカ先輩からそれを聞いているうちに涙も引っ込んで。
二人で密着しながら座り込んだまま、はぁ〜と大きめのため息をついた。
……二人とも、こんな時でさえツッコミあってんのか……すごいなあ。
これはもう呆れを通り越して尊敬だ。
「でも……そっか、二人が……」
「雪桜ちゃんのこと、すごい心配してたよ。良い友達だね」
チカ先輩のその言葉にこくんと頷く。
後で、謝らなきゃなあ……と思い乾いた笑みを浮かべた。
すると、チカ先輩は立ち上がって私に手を差し出してきた。
「立とうか」
「ありがとうございます……」
チカ先輩の手を取って立ち上がる。

