チカ先輩のお気に入り。





「…あ、おい!!知佳……っ!!」


夏目の声なんて耳にも入らず気づいたら俺は走り出していた。







「……ってこと」

「……カツアゲで全部もっていかれました」


チカ先輩からそれを聞いているうちに涙も引っ込んで。
二人で密着しながら座り込んだまま、はぁ〜と大きめのため息をついた。

……二人とも、こんな時でさえツッコミあってんのか……すごいなあ。
これはもう呆れを通り越して尊敬だ。


「でも……そっか、二人が……」

「雪桜ちゃんのこと、すごい心配してたよ。良い友達だね」


チカ先輩のその言葉にこくんと頷く。
後で、謝らなきゃなあ……と思い乾いた笑みを浮かべた。

すると、チカ先輩は立ち上がって私に手を差し出してきた。


「立とうか」

「ありがとうございます……」


チカ先輩の手を取って立ち上がる。