「ママー!」

 優が可愛い声で雅に駆け寄る。

 「優!ママのお話、聞いてくれた?」
 「うん!」

 そして雅の手を引っ張り、どこかに連れて行こうとする。

 「ん?どこに行くの?優」
 「サンタさん」

 朱里は思わず笑った。

 「そっか。優くんもサンタさんにプレゼントもらわなきゃね」

 雅に抱かれて奏サンタからプレゼントを受け取った優は、満面の笑みで朱里を見る。

 「あーちゃ!みてー」
 「良かったねー、優くん。サンタさんにプレゼントもらえたね」
 「うん!」

 朱里は頷くと、まだ熱気に包まれている会場を見渡した。

 子どもも大人も、皆が晴れ晴れとした表情で笑い合っている。

 そんな光景がただただ嬉しくて、朱里はもう一度微笑んだ。