可愛い、若い子の方が社長もいいと思うんです、私が一番年上だから色々聞けると思ったんだと思いますから」

「そうだな」

そこで納得するかな、部長は……

ミクは帰る支度をして、退社した。

終業のベルがなり、あやかはウキウキしながら、社員通用口に向かった。

しばらくすると、高級車が停まって、社長が降りてきた。

「社長、橘花先輩、具合悪くなって早退したんです、私が食事にお供します」

そう言ってあやかはにっこり微笑んだ。

「そうか、具合悪いって、大丈夫なのか」

「あ、大丈夫ですよ」

「悪いが、食事の相手は誰でもいいわけじゃないから、今度、総務部の女の子みんなで行こう、今日は申し訳ないが中止と言うことで頼む」

省吾はあやかに断りを入れて、車を走らせた。

あやかはぷ?っと頬を膨らませて、仕方なく帰った。

省吾はすぐに秘書の渡辺に連絡した。

「総務部の橘花ミクの住所を、俺のスマホに送ってくれ」

「どうかされたのですか」

「具合が悪くて早退したらしい、様子を見に行ってくる」