契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない

「ごめんね、ミクがシャワー浴びてる間に省吾さんに電話しちゃった」

「えっ、省吾さん、電話に出た?」

「うん、心配してたよ」

「それじゃあ、省吾さんが契約解除したかったわけじゃないんだ」

「母親が勝手に事を進めたんじゃないかな」

ミクは少しホッとした。

次の日、省吾はミクを迎えに行った。

「省吾さん」

「ミク、お袋が勝手な事してごめん、帰ろう」

「でも……」

「俺はミクと離婚はしないよ」

「契約を続けるって事ですか」

「あ、ああ、そうだな」

ミクは省吾の恋人の存在には触れないことにした。

自分はあくまでも契約上の関係だから。

「わかりました」

省吾とミクはマンションへ戻った。

マンションへ戻ると、省吾はミクの目の前で離婚届を破り捨てた。

「ミク、嫌な思いをさせて悪かった、俺はずっとミクと一緒にいるから、ミクもそのつもりでいてくれ」

「わかりました」

そんな矢先、ある事をきっかけに、ミクは省吾への気持ちに気づくことになる。