省吾さん、どうしたんだろう。

パンケーキが運ばれてきた。

ミクは満面の笑みでパンケーキを口に運ぶ。

省吾もパンケーキを口に運んだ。

「省吾さん、どうですか、私、ずっと食べたくて、すごく美味しいですね」

省吾は一口食べた後、ナイフとフォークをおいた。

「ごめん、これ以上は食べられないや、俺はコーヒーだけ頂くね」

「おいしくないですか」

「甘いもの苦手なんだ」

えっ、そうだったんだ。

ミクは自分のことばかり、有頂天になって、省吾のことを気遣い出来なかったことに落ち込んでしまった。

「ごめんなさい、言って下されば他の店にしたのに、私ったら……」

「いや、ミクのすごく喜んでる顔見たら、言えなくて、頑張って食べられるかなって思ったんだけど、ごめん」

「省吾さんが謝ることではありません、私の気遣いが足りなくて……」

ミクは涙が溢れてしまった。

「ミク、大丈夫だから、泣かないで」

「もう、出ましょう」

「いや、俺は大丈夫だから、ミクはパンケーキ食べて」