「大体、南月はいいわけ?ずっと理央くんを取られっぱなしでさー」

「そ、それは……」

「いずれ付き合う仲なの!とか何とか言って、早いとこ取り返してきなって」


この言葉に、二個目の唐揚げをポロッと落とした太陽くん。「ちょ、それどういうこと?」と、食い気味で私に質問した。


だけど――ここで、主役の登場。


なんだか疲れた様子の理央が、ノロノロと教室に入ってきた。だけど自分の席に椅子がないことに気づき、辺りをキョロキョロ見回している。

すると、いきなり手を挙げた太陽くん。「おーい理央〜」とこちらへ手招きした。


「ちょっと。いま秘密の作戦会議をしてるのに、何で理央くんを呼んだのよ?」

「理央の椅子、俺が使ってんだよ」

「自分のを持ってくればいいのに……」