溺愛幼なじみは甘くて強引

「ってか、なんで太陽がここにいんの?」

「いやーどこで食べようか迷ってたら、ちょうど空席があったから」

「空いてなかったでしょ?遠くから椅子を持ってきてたじゃん」


真琴ちゃんのツッコミに「まーまー」と太陽くん。大きなお弁当は机に置ききれないらしく、ずっと片手で持って食べている。


「ってか、今もアリスって子に付きっきりなんでしょ?理央くん。他クラスなんだから放っておけばいいのに。ねぇ、南月?」

「う、ううん……」


理央の席を見る。だけど、そこに理央はいない。隣のクラスになったアリスって子に、校内案内をしているらしい。


――朝、私より遅れてクラスに入って来た理央は、真っ先に私の所へ来た。


『朝はごめん、南月にイヤな思いさせた』

『いや、えっと……』


理央は本鈴ぎりぎりに入室したから、すぐにチャイムが鳴ってしまった。「また後で話すね」と言った理央の約束――それは、お昼休みになった今も、果たされていない。


「そもそも、あの子って理央くんの何?」