「どうしたの、理央?」

「俺が聞きたいんだけど。どうして誰もいない教室で、佐竹といるの?」

「あぁ、それは太陽くんと秘密の、……あ」


言えない……。

経験値をためるために現在レベルアップ中です、なんて言えないよ!


私は「理央と早く付き合いたいから」急いで特訓してるわけだけど、理央からしたら「そんなに早く恋人のあれやこれやしたいの?」って思うかもしれない。

ガッツいてるって思われたくないし……。


ここは、内緒にしておこう。


「理、」

「佐竹、悪いけど席を外してくれない?この後二人で職員室に行く用事があるんだ」


そんな用事ないけど!?と驚く私とは反対に、佐竹くんは「ほーい。じゃね、森野」とあっさり教室から出て行ってしまった。


え、行っちゃうの?


何か不穏な空気が流れているこの場に、私と理央を残して行っちゃうの?太陽くん!