まさか高校生にもなって、頭からずぶ濡れになるとは思わなかった。

明日も学校だけど、制服が乾かなかったら、どうしよう……。


いや、それより太陽くんは?
大丈夫なの!?


同じくずぶ濡れになっている彼へ、急いで視線を移す。

太陽くんは、手に持つスマホを見つめていた。そして、何を言うかと思えば――


「……スマホ、壊れた」

「なんと……」


電話終了直後で、スマホを持ったままだった太陽くん。

そんな彼の手は、スマホもろとも――ぐっしょり濡れていた。

どこか反応しないか?と操作しても、画面は真っ暗なまま。


「はぁ」とため息をつく太陽くんは、こんな事を漏らした。


「スマホ、修理費いくらだよ。壊れたなんて言ったら、母さん……また仕事増やしかねないよな」