「うん。優し過ぎるほどに、優しいかな」

「……そっか」

「?」


褒めているのに、どんどん落ち込んでいく理央。もしかして、教室を出る前に何かあった?それで、あんな調子の悪そうな顔色に?

もし、何かに落ち込んでいるなら……。

私が、励ましてあげたい。


「……南月、何してるの?」

「ん。よしよし……かな?」


私は体を起こして、理央の頭を撫でた。柔らかい茶色の髪が、私の手に沿って動いている。


「何があったかは知らないけど――私は、理央の優しさに、いつも感謝してるんだよ。し足りないくらいに」

「感謝……?」

「理央はいつも私を見て、守ってくれる。例えば、すぐ付き合わず私の気持ちを待ってくれる事とか。そういう理央の優しさが、私はすごく嬉しいの」

「……そっか」


ふっと力が抜けたように、理央は笑った。

そして――