禁断の恋 〜狂愛癖のある兄〜

「もうぜってー乗らねえからな」


「楽しかった〜」


私は楽しすぎてはしゃいでるけど、兄はベンチに座って俯いたままだ


まぁこのあと絶対お化け屋敷に連れて行かれるんだけど

私にお化け屋敷は効かなーい

だって怖いの大好きだがら


じゃあ逆に嫌いなものって何?って聞かれたことはある


私が苦手とするものは兄だ

夜になると"逆らえなくなる"からだ


私はまだ一向に動こうとしない兄に私は遠くの自動販売機に行き、水を一つ買った


兄に持っていくと、小さい声でありがとうと呟いた

それを一気に口に流し込むお兄ちゃん

「ねぇ、次どこいく?」


夜になるとあんなことしてくるから昼の今くらい仕返ししてもいいかな?


罰は当たらないよね


「次か〜、心乃美の好きなものでいい」


兄って自分のしたいこといつも後回しだよね


本当に超〜〜〜〜シスコンなんだから

「わかった」


また兄の嫌いなものにしようかな

高所恐怖症なんだったらジェットコースター『やっぱやめとこ』とか言えばよかったのに


無理するから〜


そうだなー、次はどこにしようかなー


観覧車はさすがにやめとこうかな


ゆらゆら前後行き来するバイキングとかでもいいかもしれない


「バイキング行こ〜?」


「お前、本当に、楽しそう、だな。俺はまだ視界がグラグラする」


「いつも夜になったらあんな事してくるからたまにはいいでしょ」


「……」

あら黙っちゃった